2015/11/01

第3回 赤羽根学園

「仏(明るく)法(正しく)僧(仲良く)」を生活の理念に、 「子どもから目を離すな、手を離せ」を基本方針として、 地域に根差した施設運営を目指しています。

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赤羽根学園[施設長]村上 充さん

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社会福祉法人 光輝会が運営する児童養護施設の赤羽根学園は、昭和33年に光輝院の住職が愛知県田原市赤羽根に虚弱児施設としてスタートしました。平成10年の児童福祉法の改正で、児童養護施設に変わり、現在は37名(定員41名)の児童が生活しています。とても豊かな自然環境と地域の方々の温かさに支えられながら子どもたちは成長しています。 赤羽根学園では、仏教の教えを基本理念としており、大勢の子どもたちを全員で見る大舎制の施設として、子供たちの将来の自立に向けた指導を行っています。 愛知県児童福祉施設長会が主催するソフトボール大会をはじめとした各種スポーツ大会や音楽の集いなどでは、全児童・全職員が一丸となって参加し、優秀な成績を収めています。

akabane04_IMG_2912akabane04_IMG_2909akabane04_IMG_2896 左:退所児童支援施設。退所に向けての支援が行われます。4LDK。 中:講堂。毎朝、全員でのおまいりは欠かせません。 右:ソフトボール大会の優勝旗。

赤羽根学園[児童指導員]吉見 茜音さん

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★子どもたちと長く関わっていける仕事がしたい!
大学を卒業後、今年の春から児童指導員としてこちらで働いています。主な仕事は学習指導と、子どもたちの生活全般のサポートです。
小さな頃から「子どもに関わる仕事をしたい」と思っていて、教員志望で教育大学に入学し教育実習などにも行きましたが、1年単位での関わりになる学校教育とは違う、子供の成長を長年かけてみて行ける現場につきたいと思うようになり、大学2年生の終わり頃からボランティアを始めました。昨年、ボランティアとして体育大会やレクスポ大会に参加したことがきっかけで、この学園にお世話になることになりました。

★子どもと共に日々成長しています!
この仕事に就いて良かったと思うことは、とにかく子どもたちと一緒にいられる、子どもの成長をすぐそばで見ていられることです。
例えば、箸を上手く使えなかった子が、ある時急に使えるようになったなど、 些細なことですがこの仕事へのやりがいに繋がっています。また、私のことをずっと「ねぇねぇ」と呼んでいた子が、「吉見さん」と、初めて名前で呼んでくれた時は、とても嬉しかったですね。この時、人の顔と名前をしっかり覚えることの大切さを子どもから教えてもらいました。 児童養護施設で暮らす子どもたちは、どこか特殊な目で見られてしまいがちですが、ごく普通の子どもたちばかりです。以前は、このような施設で生活する子どもは複雑な家庭環境であることもあり、気が荒い子が多いのでは?という思い込みがありました。でも、実際ここで働くようになって、それが全く違うことに気づきました。 子どもたちと接することで、教えられることが多く日々学びの多い職場だと感じています。

★自分らしく子どもと接すること、日々模索しています
赤羽根学園は、一家の大黒柱のお父さんのような存在の施設長が先生全員をまとめてくれていて、大家族のような環境です。どの先生も子どもたち一人一人に合わせて接していますので、子どもたちにも尊敬され、良い関係が築けています。
私は、現在小さな幼児を担当することが多いのですが、威圧的にならないように目線を合わせたり、挨拶をしっかりすることに気をつけるようにしています。まだまだこの仕事を始めて日が浅いのですが、常に先輩方の言動を注意深く観察して、自分に合う子どもたちとの接し方を日々模索しています。愛情をかけた分、自分に返ってくると思いますので、たくさんの愛情をかけてこれからも子どもたちと関わっていきたいです。 akabane05_IMG_2917akabane05_IMG_2901akabane05_IMG_2879
左:食堂。皆の顔をみて食事ができるよう、円卓です 中:整理室。子どもたちの衣服を管理しています 右:大浴場。指導員・保育士が一緒に入り、入浴のマナーを教えます

赤羽根学園[児童指導員]江川 智子さん

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★中学校の時の職場体験でこの世界を知りました。
中校生の頃から児童福祉に興味があり、福祉系大学に進学、そのまま赤羽根学園に就職して今年で児童指導員として4年目となります。自分自身に兄弟が多いこともあり、幼稚園の先生か保母さんになりたいと思っていましたが、中学生の時の職場体験で乳児院に行き、「このような世界もあるんだ…」と強いショックを覚え、児童福祉の世界を目指すことになりました。 児童指導員の仕事は、子供たちの生活支援全般です。学習指導はもちろん、衣服の洗濯や部屋の掃除など食事の支度以外の家事全般と言っても過言ではありません。子どもと一緒に生活し、生活を支えることが仕事です。赤羽根学園では、あえて子供たち一人一人に担当の指導員を付けず、全職員で全員の子どもたちを見ています。そのため、職員同士の情報共有や報・連・相を徹底し、子どもたちの些細な変化を見落とさないよう心掛けています。

★「音楽のつどい」の責任者を通じて、子どもたちとの距離が縮まりました。
赤羽根学園にはスポーツ大会 やレクリエーション大会など、多くの年間行事があり、その指導に当たるのも児童指導員の仕事です。私は、一昨年前から2年間、愛知県児童福祉施設長会が開催する「音楽のつどい」の責任者を任されました。就職してわずか2年目で責任者を任されることは珍しく、他の先生方にもサポートをしていただきましたが、責任者という立場上、さまざまなことを自分で決めていかなければならず、苦しく思う事もたくさんありました。子どもたちにも積極的に参加する事をうながしたりしなくてはならないのですが、2年目の私には、まだ子どもたちとの関係ができておらず、口論になることもよくありました。しかし、子どもたちの事を本気で考え、ぶつかっていくうちに、子どもたちも私の気持ちを理解してくれるようになってきました。
「音楽のつどい」の責任者を担当したことで、子どもたちとより深いコミュニケーションをとれるようになったのでとても良い経験になりました。

★普通の家庭と何もかわらない!活力の源は、子どもたちの成長です。
友人に児童養護施設で働いていると言うと、立派だねと言われることがあるんですが、私はいつも「普段のお父さん、お母さんがやってくれていることをしているだけなんだよ」って話します。確かに子どもの一生にたずさわっていくという面では、とても難しく大変な仕事だと思うのですが、いつどんな時でも私を成長させてくれるのは、子どもたちなんです。勉強が苦手だった子が、「保母さんになりたい」と言ってくれ、勉強を見てあげていた事があったのですが、卒園生を送る会の中で、「先生、今まで勉強を教えてくれて、ありがとう。」と言ってくれました。大変な事もいっぱいあったけど、あの時この仕事をしていて本当に良かったなと思いました。
子どもたちの成長や何気ない一言に日々助けられ毎日をすごしています。

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左:家庭菜園。野菜ぎらいだった子が野菜を食べれるようになりました。 中:遊具。 右:運動場。地域の子どもたちも遊びに来ます

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※掲載されている情報は、2015年11月現在の情報となります。

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