現状レポート

2017/11/01

取材第17回 愛知県里親連合会 柴田 寿子さま・西岡 道治さま・田中 和枝さま

愛知県里親会連合会 会長 柴田 寿子さま
愛知県里親会連合会 副会長 西岡 道治さま(写真)
愛知県里親会連合会 事務局 田中 和枝さま

nishiokasama Q.里親制度とはどんなものですか?
皆さんは、“里親”と聞くと、どんなことをイメージしますか?
“親(保護者)の病気や離婚、虐待、育児放棄など、さまざまな事情により、自身の家庭で暮らすことが出来ない子どもたちがいます。このような子どもたちが安心して幸せに暮らしていくことができるように、“里親”とは、社会的養護を必要としている子どもたちを自分の家庭の中に迎え入れ、家庭的な雰囲気の中で、家族同様に愛情を持って、子どもを育てる人たちのことです。児童養護施設と同じように、各地域の児童相談所からご連絡を頂いて子どもたちを預かります。

Q.里親の種類と特徴を教えて頂けますか?
“里親制度”には、以下のような4つの種類があります。それぞれの特徴をまとめてみると、

◎養育里親:さまざまな理由によって、自身の家庭の中で暮らしていくことが出来ない子どもを、一時的もしくは長期的(子どもが家庭に戻れるようになる、もしくは自立する年齢になるまで)に養育する。

◎専門里親:非行などの問題行動のある子ども、虐待や育児放棄などにより精神的ダメージを負った子ども、さまざまな障がいを抱える子どもを2年以内の期限付き(更新有)で養育する。(専門的な知識や技術が必要)

◎養子縁組里親:さまざまな事情により、新しい家庭で養子縁組を結ぶことが、子どもにとって必要な場合に、養子縁組を前提に子どもを育てる里親。
特別養子縁組(実親との関係を法律的に断ち、養父母との間に実親子と同様の関係を成立させる)と普通養子縁組(法律的な親子関係は成立するも、実親との関係は消滅しない)がある

◎親族里親:子どもの両親(もしくは保護者・子どもの養育者)が事故や病気で死亡した場合、行方不明となってしまった場合などに,3親等以内の親族が自身の家庭において養育する

このように一言で“里親”と言っても、それぞれに違いや特徴があるのです。
社会的養護全体をみてみると、児童福祉施設(グループホームも含む)が9割前後、残り1割前後が“里親”というのが現状です。
子どもたちをより家庭的な雰囲気の中育てていく、家庭養護が推進されていく中で、さらに多くの“里親”が求められていくでしょう。しかし、ただ“里親”が増えればいいというわけではないはずです。社会による保護が必要な子どもたちを支え育てていくためには、児童教育に関する知識を持ち、指導的立場をとれる存在(児童福祉施設)も不可欠です。
子どもたちが安心・安全に暮らしていける、心から安心して過ごすことができるようにしていくためには、児童福祉に関わる全ての機関・全ての人たちが、互いに知恵を寄せ合い手を取り合う、互いに尊重し合える関係を築くことも大切であると実感しています。社会全体で子どもたちを育てていくために、まずは大人が良い関係で繋がっていければ…と思っています。

Q.里親会の活動について教えてください。
子どもたちの幸せを考えると、全ての子どもたちが実親の元で幸せに暮らしていけるのが理想です。しかし、それが難しい現在、少しでも多くの子どもたちが幸せに、安心して暮らしていける環境を整えていきたい。そのためにはまず、“里親制度”を正しく理解して欲しいと考えています。少しでも多くの人に、このような制度があることを知って欲しいです。10月4日の里親の日には、毎年全国各地で大規模な啓発活動が行われています。また、愛知県の児童相談センター及び里親会が中心となり、月に約1回程度(年10回)、里親体験発表会を開催して、里親制度の説明を行い、養子縁組型・養育型の里親さんの体験発表を行なっています。
正しい情報が広く伝わることで、“里親・里子”に対する偏見が少しでもなくなること、また“里親制度”自体に興味を持つ人が増えてくれることを願っています。

里親に関する詳しい情報は愛知県の里親についてのページをご覧ください。

※掲載されている情報は、2017年9月現在の情報となります。

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