現状レポート

2019/02/01

取材第22回-1週目 福祉型障害児入所施設 トイBOX [施設長・管理者]寺倉正恵さん

障がいがあってもなくても、それぞれがかけがえのない存在です

福祉型障害児入所施設 トイBOX [施設長・管理者]寺倉正恵さん

 福祉型障害児入所施設 トイBOX [施設長・管理者]寺倉正恵さん

トイBOXは、社会福祉法人 相和福祉会によって運営されている福祉型障害児入所施設です。平成25年4月に開設、愛知県が管轄する福祉型障害児入所施設(全7箇所)の中で1番新しい施設です。福祉型障害児入所施設は数が少ないこともあり、知多・刈谷地区などの近隣はもちろん、遠方からの入所も受け入れています。当施設では、開設時からユニット制を採用しており、12人・8人・12人・8人で構成された4つのユニットで、2〜18歳までの子どもたちが暮らしています。
ユニットは、子どもたちのお家がわりです。子どもたちはそこから幼稚園や学校へと通っています。40人の定員のうち、現在38人が措置児童、残り2名が受給者証を持つ契約児童となっています。また、平成30年4月から、施設内に未就学児童を対象とした、児童発達支援事業所(通所施設)トイBOXハートを開設。定員10名、保育園や幼稚園の変わりとして(併用しているケースもあり)療育支援しています。

当施設で暮らす子どもたちは、皆それぞれに障がいを抱えています。またそれに加え、先天的な疾患を持っており、定期的な通院が必要な子もいます。しかしながら、障がいがあってもなくても大切な子どもであることには、変わりありません。子どもたちそれぞれが健全に育つようにサポートする、安心して過ごせる生活の場を整える、豊かな経験をさせてあげること。障がいを持たない子どもたち同様、子どもたちの“育ち”を支えていきます。
もちろん、障がいがあるからこその難しさもあります。例えば、子どもたちの多くは、自分の思いをうまく伝えることが不得手です。中には、“言葉”自体を持たない子もいます。伝えたいことが伝えられないということは、わかり合うのが難しいということです。そのため、自ずと個別対応が必要なケースが多くなります。

当施設では、愛知県で初めて小規模グループケアを始めました。目的は、より少ない集団にスポットを当てて支援する、より家庭的な雰囲気の中で支援していくことです。ここで暮らすこどもたちは年齢だけでなく、障がいにも幅があります。高校や専門学校への進学する子もいれば、食事介助が必要な子もいます。18歳までここで過ごした後、それぞれにあった次のステージへと進んでいくための“力”をつけるのも私たちの役目です。それぞれの自立に向けて、できることを少しでも増やしていくこと。例えば、お風呂の入り方、ご飯の炊き方、部屋の掃除の仕方など、毎日の生活に必要なことを1つひとつ、きちんと学んでいけるように、支援していきたいと考えています。

私自身は、同法人で大人の障害者の方の支援施設で15年、児童養護施設で3年間勤務した後、開設から当施設に勤務しています。2年目から施設長となりました。今後心がけていきたいことは、スタッフそれぞれにとって働きやすい職場になるようにしていくということです。子どもたちを支えていくためには、まずスタッフそれぞれが笑顔で元気、幸せでいてくれないと、と心から思っています。
子どもたちは、障がいがあってもなくても、育つ場所が家庭であってもなくても、同じ子どもです。同じように健全な育ちのために支援を必要としています。施設や学校はその一端を担っていますが、社会全体の見守りや支援も大切だと感じています。

 

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※掲載されている情報は、2019年1月現在の情報となります。

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