現状レポート

2019/09/08

取材第28回-2週目 児童養護施設 梅ヶ丘学園 [看護師]大田 美紀さん

自分自身も元気で、子どもたちの背中を押し続けたい

児童養護施設 梅ヶ丘学園 [看護師]大田 美紀さん

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梅ヶ丘学園には、平成25 年から看護師として勤務しています。児童養護施設の中でも看護師が常勤している施設は少ないため、珍しく感じるかもしれません。児童養護施設という施設があることを全く知らずにいましたが、いたずら好きな元気な子どもたちがいっぱいで、毎日楽しく過ごしています。健康面の事だけでなく、生活する上でのマナーの事まで口を出し「姿勢悪いよ」など注意する事も多いです。

以前は病院に勤務していたのですが、ここで思うことは、子どもたちとのふれあいが心豊かな時間であり、楽しくて仕方がないということです。看護師になるためには、母性分野・小児分野・成人分野・精神分野などの実習を受ける必要があるのですが、看護学生の頃は小児分野での実習が苦手でした。「子どもって勝手だし、うるさいし、私の言うことなんて聞かない」そんなイメージを持っていたのです。
これががらりと変わったのは、自分が3 人の子どもを育ててからです。子どもと向き合っていく中で、子どももきちんと話せばわかってくれるということに気づき、次第に自分の手を離れてきた時には 「さみしい」と感じるほどでした。「小さな子どもたちと触れ合っていきたい」との思いから、里親を考えたこともありましたが、現実には難しく、そんな時に知ったのが梅ヶ丘学園での看護師の募集でした。しかしその時はこれまでとは全く異なるであろう環境に「ちょっと違うかも」と躊躇してしまいました。
それから数年、たまたま社会福祉士の通信講座のスクーリングで梅ヶ丘学園の施設長と出会い「数年前に看護師を募集していませんでしたか?」と聞いたことがきっかけとなり、前任者が退職するタイミングだったこともあり、こちらでお世話になることとなったのです。

病院勤めの時には患者さんの入院・退院・手術・容態の急変などもあり、時間に追われ常に気を張っているような毎日でした が、子どもたちと過ごす今、当時と比べると落ち着いた日々を過ごせています。まだまだ小さい幼児さんたちは、うまく「さん」を言えなくて、私のことを「おおたたん」って呼ぶんです。こんな小さな可愛い子たちと一緒に過ごせること自体が幸せだと感じています。

この仕事をやっていてよかったと思うのは、巣立っていった子たちが訪ねてきてくれる時です。ついあれこれと声をかけてしまうのですが「相変わらずだね」と言われるとやっぱりうれしく思います。ここにいた時には色々と問題があった子も、社会人としてきちんとがんばっています。自衛隊に入隊した子が制服を着て来てくれた時には、あまりの格好よさに感涙でした。一人の大人として自分の人生に向き合っている姿を見ると「がんばれ」と背中を押しつつ、自分もがんばっていきたいと感じます。このまま元 気に過ごしながら子どもたちの背中を押し続けたい、あたたかく見守る存在でありたいです。「あの時、大田さんが言ってたのはこういうことだったんだ」とふと人生の中で思い出してもらえたらうれしいです。

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※掲載されている情報は、2019年7月現在の情報となります。

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