現状レポート

2017/06/01

取材第13回 ファミリーホーム[NPO法人fun life(くらちゃんハウス)]倉橋幸彦さん・美菜子さん

 

NPO法人fun life(くらちゃんハウス)倉橋幸彦さん・美菜子さん

funlife2_IMG_7234

★子どもたちの「ふるさと」を目指して!
NPO法人fun lifeは、平成25年4月施設職員の経験(中日青葉学園に勤務)を資格要件に、小規模住居型児童養護事業、通称“くらちゃんハウス”として開設、平成28年7月にNPO法人化しました。法人名をNPO法人fun lifeとし、事業内容は小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)くらちゃんハウスの事業と、子育て短期支援事業を立ち上げております。事業の中心はファミリーホームであり、ファミリーホーム事業については屋号くらちゃんハウスとして、個人事業の時代と変わらない運営を続けています。
ファミリーホームは養育里親から移行されることも多いのですが、くらちゃんハウスは、ファミリーホームとして委託児童0人からのスタートでした。開設して1年目のまだ定員に満たないうちは、保護者の方が入院している間の2ヵ月間や、養育里親のレスパイト・ケア(里親の一時的な休息のための援助)中の一時保護などのお預かりも多数ありました。その後、実際の家族(きょうだい)のように暮らして欲しいという当時の愛知県の意向を受けて、年齢の高い子から順に受け入れ、現在、高2の男子・中3の男子・小6の男子・小3の女子・少1の女子・年長の男子の6人(定員6人)の子どもたちと、猫3匹で大家族のように賑やかに暮らしています。

ファミリーホームとは、地域のある家=家庭の中で、そこに暮らす家族と共に生活を送りながら、子どもたちが自立を目指していく場所です。くらちゃんハウスの場合、委託された子どもたちは、私たちの家で、本当の家族のように一緒に生活を送ります。ファミリーホームと児童養護施設との大きな違いは、実際の家庭の中で、家族の一員として生活を行っていくところです。つまり、24時間365日一緒に暮らしていく中で、時には、ふつうの親子のようにケンカをすることもあります。このように家庭での生活を通じて、みんなが成長できる場所でありたい、子どもたちが日常の幸せを感じられる場所でありたいと思っています。

★設立のきっかけは、子どもたちともっと深く付き合っていきたいから!
私たち夫婦は、くらちゃんハウスを始める前、二人とも児童養護施設で児童指導員として、勤務していました。施設での勤務では、先輩職員の仕事ぶり(子どもたちへの接し方、保護者への対応など)から多くを学ぶことができ、職務に関する研修を受けるなど知識の習得やスキルアップの機会があります。何か困ったり迷ったりした時に相談できる上司や先輩・同僚もいます。交替勤務なのでプライベートな時間を確保できるなど、やりがいを持って働きやすいと感じる部分は多々ありました。しかしその反面、職員一人が担当する子どもの数や仕事の量が多いため、子どもたち一人ひとりとじっくり向き合うことが難しいと感じていたのです。そして、もっと一人ひとりの子どもたちとじっくり関わっていきたい、ずっと一緒にいることでより良い関係性を築いていきたいという思いから、ファミリーホームの開設を考えるようになりました。

★もっとファミリーホームについて知ってほしい
実際にファミリーホームを開設して感じることは、ファミリーホーム=家庭養護がまだまだ一般的には知られていないということです。病院や銀行の手続きの際には説明に時間がかかり、説明することのむずかしさを感じることもありますね。近所の方や子どもの保護者の方などには、里親みたいなものだと説明することが多いです。実際、ファミリーホームを運営していくためには、子どもたちの学校をはじめ、地域の方のご理解が必要です。そのため、町内会や子供会にも加入し、地域の行事にも積極的に参加しています。幸いご近所の皆さまに恵まれ、子どもたち共々親切にしていただいており、とても有り難く感じています。

★子どもたちの将来のことを1番に考え、できるかぎりのサポートを
子どもたちと一緒に暮らしていく中で、進学や自立に関する金銭的なことなど、厳しいことを言わないといけないこともあります。例えば、高校までの学費は心配いらないけれど、そこから先に進学したい場合は、自分で何とかしなくてはいけない現実をきちんと伝えることも私たちの役目です。そしてその現実を踏まえた上で、どうすれば子どもたちの夢を叶えることができるか、を一緒に考えながら、支援していきたいと考えています。くらちゃんハウスでは、今一緒に暮らしている子どもたちや、ここを巣立っていく子どもたちにとっても、いつでも安心して過ごすことができる場所でありたいと思っています。また、困ったことがあればいつでも相談できる・立ち寄れる場所、子どもたちの「ふるさと」のような大切な思い出の場所にしていきたいですね。

ƒvƒŠƒ“ƒg

※掲載されている情報は、2017年4月現在の情報となります。

新着情報

BACK TOP