現状レポート

2017/06/15

取材第14回 ファミリーホーム[ファミリーホームわが家]木村 徹さん・統子さん

 

ファミリーホームわが家 木村 徹さん・統子さん

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 ★子どもたちが楽しく暮らせるように、信頼と深い愛情で接していますファミリーホームわが家は、平成23年7月の開設されたファミリーホームです。私達夫婦は、知的障がい児教育をはじめ子どもに関する社会養護に携わっていた叔父のすすめで、昭和59年に里親登録しました。当時の児童養護は大舎制が中心であり、養育里親の需要が今のように多くなかったこともあり、登録して数年間はなかなか措置されないこともありました。その後、短期間の受け入れから始まり、養育里親の期間の含め33年の間に一緒に生活した子どもたちは、25人になります。現在は、大2・高1・中2年・小5の4人の子どもたち(定員5人)と猫たちと毎日楽しく暮らしています。

★家族の一員として、楽しく暮らしてほしい
ファミリーホームわが家で大切にしていることは、“愛情と信頼”です。私たち夫婦と他の子どもたちと1つ屋根の下で暮らすことで、一緒に食事をしたり、テレビを観たり、同じ時間を共有しながら、家族の一員として深く関わり合うことで、信頼関係を築き、お互いに愛情を持って接することができるようになります。子どもたちにとって、ここが“わが家”だと思えるような、“家族の絆”が感じられる、安心できる場所であって欲しいですね。ファミリーホームに措置される子どもたちの多くは家庭環境に恵まれず、それまであまり楽しい生活をおくってきていない子がほとんどです。だから、うちに来たからには今までの分も明るく楽しく過ごしてほしい、そんな風に思っています。休日には、家族そろって外食をしたり、たまには家族旅行に行ったり、家族みんなで楽しい時間を共有しています。また、わが家には、食事に対するアレルギーを持った子も一緒に暮らしていますが、料理が好きなこともあり、その子の体質に合った食事を提供しています。このように、一人ひとりの子どもに合わせた対応ができるのも、家庭養護ならではだと思っています。

★地域の関わりに積極的に参加し、たくさんのご支援を頂いてます。
ファミリーホームを運営していく上で大切にしているのが、地域や学校との結びつきです。子どもたちの担任の先生はもちろん、校長先生・教頭先生とも頻繁にコミュニケーションを行うことで、家庭養護に対する理解を得られるよう心がけています。私たち夫婦に実子はおりませんが、子ども会の副会長を行っていた時期もあります。また、社会的養護を必要とする子どもたちへの理解を深め、家庭養護の充実にためにも、青年会議所の理事長や市議会議員もつとめ、多くの方々に支援やご協力をいただきました。今後、国の方針により、子どもたちの社会的養護は、より家庭養護が中心になってくるでしょう。だからこそ、地域の皆さまの理解と協力のために、社会福祉法人の理事や特別医療法人の評議員などをつとめています。

★子どもたちに接していくことが、私の人生の役割です
里親から児童養護をはじめて33年。この間に、一緒に暮らす子どもたちから、そして周りの方々から多くのことを教えていただきました。今でもよく覚えているのが、私たちが一番最初に預かった子どもたちとのことです。中学2年の女の子と小学校2年の男の子の姉弟で、母親が病気治療の間の2ヵ月間の共同生活でしたが、毎日とても楽しかったですね。子どもたちとの生活があまりに楽しく、家庭に戻った後も時々連絡をとっていました。こっそり運動会を見に行ったこともありました。ある時、子どもたちの母親に「お正月にお年玉を渡しに行きたい」と伝えたところ、「余計なことをしないでほしい」と怒られてしまったのです。その当時は、その気持ちをなかなか理解することができず、腹も立ちました。しかし、よくよく考えてみると、普段の生活に戻った親子にとっては、私たちと子どもたちの関わりは、非日常なことです。私たちが行おうとした事は、日常に非日常を持ち込むことであり、自身のエゴでしかないと気づき、とても反省させられました。
このように多くの子どもたちとの生活は、今改めて振り返ってみると、私の人生に彩りを与え、人生の中で色々な事を教えてくれました。私はこれまで、肺がん、その3年半後に脳腫瘍、そして心筋梗塞と命に関わる大病を患ってきました。しかしその都度、子どもたちと一緒に暮らしていきたいと願い、病気を克服してきました。年齢のことを思うと、体力的に子どもたちをサポートできる時期が少なくなってきていると感じることもありますが、それでも元気で続けられる限りはやっていきたい。これからも、子どもたち一人ひとりにとって、その子が自分の力で幸せになる道を一緒に見つけるサポートをしていきたいと思っています。

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※掲載されている情報は、2017年4月現在の情報となります。

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