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現状レポート

取材第33回-1週目 自立援助ホーム やつなみ[児童指導員]柿野 愛さん

自分自身で決断できるように、ひとりひとりに本音で向き合い寄り添う支援を心がけています。

自立援助ホーム やつなみ[児童指導員]柿野 愛さん

大学を卒業後は一般企業で事務員として働いていました。休日に趣味で子どもに関わるボランティアをしていた時に、当施設の運営法人である知多学園が運営する3つの施設を統括している佐藤統括から児童養護施設のことを伺い、関心を持ちました。そして3年前から児童指導員として働いています。
初年度は、地域小規模施設の「山方ゆう愛」。2年目は、クローバーライトの一時保護施設「ひかりの家」。3年目となる今年は自立援助ホーム「やつなみ」で働いています。前年が一時保護施設という事もあり、小学校1年生から高校生までの女の子を対象に子どもたちから聞き取りをする仕事が中心であったため、当ホームでも子どもたちの要望を聞き出すという今までのスキルや経験が、活かせるのではという事でこちらに配属される事になりました。

仕事は、主に当ホームで暮らす子どもたちの生活の支援として、朝、晩のご飯の提供や子どもたちに面談を行い、子ども達にあった支援方針を決めて、チームで実施していくという仕事になります。自立を支援する上で大切にしている事は、自分とはどのような人間であるかをしっかり知った上で世の中に出て欲しいということ。例えば、どういう言葉に感情が乱れてしまうのか。そのような時にはどのように対処すれば心が落ち着くのかなど、自分自身をある程度知り、客観的に見る事ができるようにするために、施設にいる間にどのような気づきを与えてあげられるかが、とても重要だと考えています。だからこそ、本人たちの望みを大切にして、ひとりひとり関わり方を変えています。関わりをあまり持ちたくないという子には、あえてあまり関わりを持たないようにもしますが、困った時には遠慮せずに必ず相談して欲しいと伝えて少し距離を置いた支援をすることもあります。時には、自分がどうしたらいいかすらわからなくなってしまう時もありますので、そのような時も私たちが簡単に答えを示すのではなく、ただひたすら話をして一緒に寄り添う事で、答えを出すお手伝いをする事を大切にしています。私自身、自立援助の世界ではまだ経験が少ない方です。だからこそ、わからないことは正直にわからないと子どもたちに話しをして、子どもたちと本音で向き合うことで、子どもたちが本当はどうして欲しいのかを聞き出す支援をすることを心がけています。

やりがいを感じるのは、やはり子どもたちの成長に気づいた時です。時には子どもたち自身が、自分の成長に気づいたというエピソードを話してくれる事があります。そんな時には、一歩づつ成長しているなと感じて嬉しくなります。子どもたちの相談に対して質問を問いかけることで、自分自身にも気づきがあり自分の成長にも繋がっています。また、子どもたちと一緒に勉強することもあります。
先日ある子どもと一緒に受けた法律とお金の研修で自立という言葉の定義がとても心に残っています。
自立とは、自分が困った時に人に相談できる環境を持っている事が重要で、孤立して何もかもが一人でできることではない。何かあった時に、きちんと周りにいる人に説明をして、誰かに助けを求められる事が重要。だからこそ、普段の生活でも自分がどうしたいかを自分で決めることがとても大切で、他人まかせに生活をしないで、自分の生活を大切におくって欲しいというお話を聞きました。私は、子どもたちが卒園するまでにどのように社会とのつながりを作ってあげれるかがとても重要であると感じました。

今後の目標ですが、まずは私たち自身が地域の人々と助け合える関係性を構築していく事が必要だと感じています。私たちがより多くの人と繋がることで相談できる選択肢が増えていきます。そして子どもたちが、何か困った事があった時に、私たち以外にも相談してみようと思える人がいる事が重要になります。そのためにも、このホームが地域に開かれていて、色々な専門的な知識をお持ちの方にも協力していただける場所ではなくてはならないと感じています。当ホームでは、地域の方に気軽に使ってもらえるような交流スペースも提供しています。今後はこの交流スペースを活用して、地域の人に少しでもこの施設への関心を持ってもらえるようにして、たくさんの方と繋がっていきたいと考えています。
最後に私たちが行なっていることは、すぐに結果が出ることではありません。何十年後になって初めて結果が出ることだと思いますので、子どもたちが振り返った時にここで生活できてよかったと感じてもらように日々学び、成長していきたいと思っています。

 

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※掲載されている情報は、2023年8月現在の情報となります。

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