現状レポート

2016/11/10

第6回 卒園生の声 籾山 英美さん

SOLGE.(ソルジェ) スタッフ

moroyama_IMG_5570 Q.施設での生活がスタートしたきっかけを教えてください。
3才の時に両親が離婚することになり、母と兄と共に名古屋に来ました。その後、6才の時に母が他界。これがきっかけで、兄と一緒に施設に入ることになり、その後、高校を卒業するまでの12年間を児童養護施設で過ごしました。今年の3月に若松寮を卒園したばかりです。

Q.どんな性格の子どもでしたか?
小学校1年生の時から施設で暮らす私にとっては、施設が家そのものでした。小さい頃は今と比べるとルールが厳しくて、ちょっとしたことで先生に怒られていたため、先生は怖い存在で、恐怖心を持っていました。言いたいことがあってもいざ言おうとすると頭が真っ白になったり、なかなか思ったことを言えない子どもだったと思います。中学生になり反抗期を迎えたことで、初めて先生に対して正面からぶつかることが出来、今まで言えなかったことを伝えられるようになりました。その時に「怒り過ぎてごめん」と先生が言ってくれたことを今でも覚えています。

Q.印象に残っている行事はありますか?
若松祭と卒業生を祝う会ですね。若松祭は施設全体で運営する文化祭のような行事です。様々な遊びや創作、食べ物、舞台での出し物等が用意され、地域の方や学校の友達、施設の卒業生も集まり、とても賑わいます。土日の行事なので、平日休みの私はなかなか行けそうにありませんが、いつか行けたらと思っています。
卒業生を祝う会は、小学・中学・高校を卒業する人を祝う会ですが、卒業と同時に卒園する高校生が一番の主役です。各ホームで出し物を準備したり、ムービー撮影や豪華な食事も用意されます。施設では、普段は各ホームに分かれての生活ですが、このような行事は施設全体で開催され、普段交流のない別のホームの子たちとも交流出来る機会になっていましたね。

Q.今のお仕事に就いたきっかけを教えてください
学生の頃は製菓・製パンの専門学校に進みたいと思っていましたが、進路を決定する際に、離れて暮らす父が「短大に行け」と言うようになりました。父に言われる通り、短大を受験し合格したのですが、人の意見に振り回されたくないと思うようになり、進学せずに就職しようと決意しました。当初はハローワークへ相談に行ったのですが、施設出身者ということで住み込みの仕事を中心に紹介され、なかなか希望の仕事へと就職できずにいたところ、ルーキーズの紹介で美容の仕事に就くこととなりました。

Q.始まったばかりの新生活はいかがですか?
職場の近くに一人暮らしをしています。始めはやりたい仕事と違う…という気持ちもあり、辞めたいと思うことも多かったのが本音です。でも、ようやく自分にも出来ることが増えてきて、仕事が楽しくなってきました。お客様とも交流出来る様になり、またこのお客様と会いたい!ということが増えてきました。このことが仕事を続ける原動力にもなっています。
プライベートでは、施設での集団生活を通じて、自分のことは自分で出来るようになっていたので、一人暮らしで困ることはありませんでした。施設にいた頃から児童手当やバイト代を貯金する等お金の管理をしていた事で、今でも無駄遣いすることなく、貯金が出来ています。
今は、自動車学校に行くための資金を貯めています。免許を取ったら車を持ち、自分の住みたい部屋に住む、と少しずつステップアップしていきたいと思っています。

Q.施設や卒園生との交流はありますか?
ずっと一緒に施設で暮らしていた子は幼なじみのような存在で、今でも一緒にご飯を食べたりしています。施設に関しては、運営母体が変わったことで、半分の先生が入れ替わってしまいましたが、今でも卒園者へのアフターケアとして、家庭訪問があります。先日、熱を出して寝込んだ時に、「そういう時にこそ、頼ってください」と言っていただき、とても心強かったですね。

Q.施設で暮らす子どもたちに伝えたいことはありますか?
施設での生活はルールや制約も多いけれど、だからこそ施設を出た時に一人で生活する力が身についているのだと思います。今、叱ってくれる人がいることは、ありがたいことです。社会に出たら誰も言ってくれません。反発ばかりでなく、先生ともっと向き合って、思ったことはきちんと伝えましょう。始めは言えないことも多いと思うけれど、ぶつかってみないとわかりません。私自身も中学3年生まで本心をうまく伝えることが出来ませんでした。もし言い過ぎてしまっても、きちんと謝ればきっと理解してもらえます。私も言い過ぎてしまったなと思った時、上手に話が出来るが不安だったので、先生に手紙を書きました。そしたら、きちんと返事が来たんです。少しずつでいいから、先生とコミュニケーションをとり、正面からぶつかっていって欲しい。きちんと向き合えば、きっと分かり合えます。お世話になった先生に、感謝の気持ちを持って、卒園していけるようにして欲しいです。そうすれば、卒園後も繋がっていける人間関係を築くことが出来ますよ。

AIR SPACE SOLGE.(ヘアスペースソルジェ.)

日進市岩崎台にあるSOLGE.はアットホームをコンセプトにしたヘアスペースです。また行きたくなる!くつろげる!そんな気兼ねないプライベートな時間をお客さまに提供しています。男性ならではの趣味や思考のヘアスタイルにしたい方や、時には大胆に自分を変えたい方には、しっかりアプローチさせて頂きます。ぜひ、一度ご来店ください。
【住所】〒470-0135 日進市岩崎台1-1801
【電話】0561-72-8600
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※掲載されている情報は、2016年8月現在の情報となります。

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