現状レポート

2016/09/10

第4回 卒園生の声 松原安矢華さん

株式会社Carat Fine Sunnyroom南風 店長

matubara_IMG_5510 Q.施設での生活がスタートしたきっかけを教えてください。
もともと両親・兄・妹の5人家族だったのですが、母が亡くなったことをきっかけに、父方の祖父母、父、妹との生活が始まりました。6才年上の兄は高校・大学と寮のある学校へ進学したため、長期休み以外は家にいない存在でした。 父方の祖父母はとても厳しく、妹と二人で、掃除や食事の支度など、家のことをやらないといけませんでした。家に帰ると遊びに行けないので、学校帰りにランドセルを隠して公園で遊んだり、部活だと嘘をついて帰宅時間を遅らせたりしては、見つかって怒られる、そんな生活の中、家にいるのがつらくなり、施設でお世話になることになりました。

Q.施設に入る時、どんな気持ちでしたか?
とにかく家にいたくなかったので、家から離れられることが嬉しかったです。 施設に入った時も、「何でこんなところに入れられなくちゃいけないんだ」という思いはなく、「何て良いところなんだ」「これからは自由なんだ」と思いましたね。

Q.実際に施設で暮らしてみて、どうでしたか?
施設に入った当初、施設の敷地内に学校も住居棟もあり、少しでも施設の外に出ることは無断外出とされ、禁止されていました。そのため、施設の敷地内だけでの生活でしたが、施設には同じ年くらいの子どもが沢山おり、学校から帰ると敷地内のグランドで自由に遊ぶことが出来る、家にいた時はやらないといけないことばかりで遊びにすら行けなかったので、最初の頃は本当に何て良いところなんだと思っていましたね。 でも、だんだんと施設での生活が当たり前になると、やっぱりより自由を求めてしまいますよね。時には、友達と一緒にこっそり施設を抜け出して、先生に怒られることもありました。外に出ても行くところはないんですけれど、それでも施設の外に出るのが嬉しかったですね。当時は管理されることから逃れたかったのかもしれません。

Q.途中で施設を移られたのですね
はい、最初の施設は中学校卒業時までの施設で、また、自宅に戻るのも難しい状態だったため、施設の先生と相談して、新しい施設を探しました。その際、2つの施設を見学させてもらい、子どもたちの雰囲気や施設の新しさが気に入り、蒲生会大和荘に入ることを決めました。その後、高校へと通学し、卒業時までお世話になりました。

Q.施設で生活しながら、どんな高校生活でしたか?
高校に入学し、施設の外の学校に通えるのは嬉しかったですね、でも施設の門限は17:30。早過ぎる!と門限を破って友達と遊んだり、夜中にこっそり施設を抜け出したり、学校で起こったトラブルに巻き込まれたくなくて、学校に行かなかった時期もありました。高校2年生になり、施設の先生に「高校を辞めるつもりなのか?」「このままだったら、ここにいられなくなる」と言われ、きちんと高校を卒業しなくてはと考え、学校に通うようになりました。高校2年生の時のクラスは、クラス全体がとても仲が良く、楽しかったですね。

Q.高校卒業後の進路は考えていましたか?
あまり進路について具体的に考えておらず、サッカーが大好き&得意だったこともあり、当時の女子サッカートップリーグのL・リーグの選手になってプレーしたいと漠然と思っていました。具体的に考え出したのは、高校3年生の夏休みの入ってからです。施設の先生から「進路どうするの?」と聞かれ、「就職するしかないよね」と。でも、特にやりたい仕事がない。しかし、家には戻れる状態でなかったこともあり、寮のある就職先を探すことにしました。

Q.始めから美容業界を目指していたのですか?
高校に来ていた求人で自分も探してみたのですが、「寮がある」ことを条件に就職先を探すと、工場勤務や住み込みの仕事がほとんどで、興味を持って仕事を続けていけるか心配になりました。そんな時に出会ったのが、Caratです。施設に求人が来ており、まずは美容の仕事がどんなものなのか職業体験をさせてもらいました。一か所だけでは不安で、Caratの高井オーナーが修行したところでも体験させていただき、美容業界への就職を決めました。

Q.実際に就職してみていかがでしたか?
初めの頃は毎日のように泣いていました。施設を出たら一人暮らしをしたいと思っていたものの、実際に一人になってみると寂しかったですね。慣れない立ち仕事はもちろん、技術を身に付けるための練習をしなくてはならない、先輩に気を使うこともあり…ととても大変でした。ヘアカットの練習時も頭では理解しているのに手が動かない、そんな時もありました。職場から自宅までの帰り道、自転車に乗りながら泣いたこともありました。 特に国家資格を取るまでの3年間は、職場が休みの日は学校の授業や課題に追われ、自分の時間はほとんどなかったですね。早くうまくなりたくて、大和荘の子どもたちの髪を切らせてもらっていた時期もあります。

Q.卒園後も施設との交流があったのですね
施設の先生たちと仲良くしていたので、卒園した後も遊びに行きやすかったですね。もちろん、先生たちとの思い出は数えきれないほどです。自分から積極的に声をかけたり、仕事の手伝いをしたりしながら、先生とよく話しをしていました。先生に自分のことを気にかけて欲しかったんです。沢山の子どもたちがいる中で、自分を気にかけてもらえるとやっぱり嬉しかったですね。卒園から時間が経って、知っている先生がいなくなると施設には行きにくくなる面もありますが、お世話になった先生方とは、新年の挨拶や誕生日のメッセージを送るなど、今でも連絡を取り合っています。時々一緒に食事に行くこともあるんですよ。 今、施設で生活している子たちにも、施設にいる間には、沢山先生たちに甘えてもらって、何かあった時に相談できる先生を沢山作って欲しいです。

Q.これからの目標や夢を教えてください
昨年の4月から、店長としてお店を一店舗任されるようになりました。Caratに入ってからオーナーに、いつかは店長に…と言われていたので、その期待に応えていきたいですね。具体的には、本店と比較するとお客様がまだ少ないので、もっとお店が賑わって欲しい。常にお客様が来てくれるお店にしたいです。そのためにどうしたらいいか、今何をがんばったらいいのかを考えながら、前に進んでいきたいと思っています。

Fine Sunny room 南風

Fine Sunny room 南風は名古屋市名東区にある、おしゃれな理容室・ヘアーサロンです。 南風では男女を問わず、理容室ならではのシェービングと美容スタッフの素敵なヘアメイクを楽しむことが可能です。 さぁ、明るくカジュアルな南風で、素敵なヘアメイクを楽しんでみませんか?
【住所】〒465-0097 愛知県名古屋市名東区平和が丘2-213
【電話】052-739-5446
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※掲載されている情報は、2016年8月現在の情報となります。

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