2026/03/03
取材第47回-1週目 児童養護施設 晴光学院[統括主任]丹羽伸治さん
働き始めて35年、時代と子どもの変化を感じる事も。大変な時期を乗り越え、今があります。

統括主任として、現場の統括も行なっています。今は事務仕事が多くなりましたが、月に4~5回は現場での夜勤をやっていますし、早番遅番の仕事も続けています。
当施設で保育士として働き始め、35年ほどが経ちます。児童養護施設について知ったのは、専門学校に通っていた頃でした。まだ当時は男性の保育士が少なく、虐待や発達障害、愛着障害などについても世間でよく知られていなかった時代。30年以上経った今、ふと「あの子は発達障害や愛着障害だったのでは」と考える事があります。今は昔と比べ、子どもが暴力や非行より自分の殻にこもることが多くなったように感じますが、その理由がはっきりせず、日々支援の形を模索しています。難しいですが、子どもの自己肯定感が上がるようポジティブに褒める事を心がけています。子どもたちが一つでも、やりたい事や自信のある事を見つけられると嬉しいですね。
現在、全国的に児童養護施設の小規模化が進んでいます。また、老朽化によって建て替え等のタイミングで小舎化が進んでいます。しかし当施設は、まだ小規模化しておらず、今も35人の子どもがひとつ屋根の下でにぎやかに暮らしています。子どもも明るくて、物怖じしない子が多いです。実習生や他の施設の方からも「明るい子が多いですね。」とよく言われます。大舎制の良さが出ているのかもしれません。私も子どもから「丹羽ちゃん」と親しみやすいあだ名で呼ばれています。
他の施設の方から、児童養護施設で働く人材が集まりにくいと良く聞きます。確かに大変な仕事で、働き続ける難しさがあるのかもしれません。ですが、達成感はその大変さを乗り越えたときに得られるもの。特に、退所した子が社会で頑張っているのを見ると達成感があります。「やってよかった」と思えます。子どもが退所するまでに自分がどこまで頑張れるか。大変な時期も、働いている人たちには頑張っていただきたいです。私も、何度か「辞めたい」と思うような出来事がありましたが、職場の先輩方の助けや、同じ職場で同じ仕事をしていた妻や、守るべき家族の存在もあって、なんとか乗り越えてここまで続ける事ができました。今度は私自身が、後輩の皆さんを守っていきたいと考えています。


