2024/07/01
取材第38回-1週目 児童養護施設 クローバーライト [施設長]佐藤 邦子さん
当施設は子どもにとっての「おうち」。子ども達には、自分の世界を広げていく感覚で、自信を持って社会に出て行ってほしいです。
クローバーライトの施設長になって、5年目を迎えました。それまでは国際協力の仕事をしていて、10年以上日本を離れ、医療活動やインフラ整備、紛争地での支援などに携わりました。国際協力と児童養護は、異なる価値観の人が集まってみんなで生きる喜びを作り出し、幸せになっていくという面では似ていると感じています。
2019年、30人前後の子どもがひとつの建物で暮らしていた大舎制から、6人前後の2つのユニット(グループ)ごとに暮らす小規模化に移行するタイミングで、施設長を任されることになりました。国際協力の仕事で培ったソーシャルワークの知識を活かしながらも、一人ひとりの子どもをどのように育てていくかを考えるケースワークについては、現在も職員から学んでいる最中です。専門性を持つ職員を、どのように活かしていくかを常に考えています。
当施設の柱は家庭的養育です。家庭で虐待を受けた子が多い中、本当に安心して過ごせる家庭のような環境を体験していく場所だと考えています。職員が顔をあわせて「おかえり!」と迎え、子どもも「ただいま!」と帰って来られるような環境は、家庭として当たり前のこと。施設内に極力張り紙をせず、子どもが職員を先生と呼ばない方針も決めています。
帰る場所が、当施設以外にない子もたくさんいます。子どもにとって居場所だと感じることができ、「施設」ではなく「おうち」と言えるような場所でありたいです。
私が施設長になる前の、八波寮の卒園生も大切にしていきたいです。4年前、クローバーライトへの移行前に卒園生が30人ほど集まるイベントを開催しました。中には40年前に退所した人も。その頃の話をたくさん聞き、退所後の苦労から八波寮への思いまで知る事となりました。卒園生にも家族の一員のように接したいです。そのため、自立支援担当職員を配置し、毎月20人以上の卒園生と定期的に面会をしています。現在も年に2回、卒園生が集まるイベントを開催しています。退所してからも、当施設を忘れないで実家のように思ってもらえるよう、「おうち」であることを大切にしていきたいです。
児童養護施設はまだ閉鎖的で、どのような子どもが暮らしているか知らない人も多いと思います。社会全体で理解を深めるために、社会とのつながりを作るような支援が必要だとひしひしと感じています。物の支援だけでなく、心の支援はとても大切です。子どもにとっても社会から支えられ、ひとりではないから大丈夫だと気づいてほしいのです。そうして、社会に出てからも助けてもらうためのSOSを素直に出せるようになるのだと思います。そのためにも、施設でどのような子どもが暮らしているかを私たちが伝えていき、たくさんの方に関心を持っていただきたいです。
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