現状レポート

2025/03/22

取材第43回-4週目 児童養護施設 慈友学園[自立支援担当職員]石井 葵 さん

子どもたちの日常生活から退所後の将来まで見据えて、長期的に関わる仕事。自立してからも成長を見守れるやりがいがあります。

児童養護施設 慈友学園[自立支援担当職員]石井 葵 さん(いしいあおい さん)


保育士として当施設で働き始め、約5年の実務経験を経て自立支援担当職員となりました。現在は自立支援担当職員として、主に子どもが自立できるよう支援の計画を練ったり、退所した子どものアフターケアをしたりしています。デスクワークや外部とのやり取りが多いですが、なるべく子どもと遊ぶ時間も作っています。子どもの数年後の姿をイメージして支援をするためと、自立してからも頼られる存在になるためにはこのような関わりを持つことはとても大切です。長期的な支援の先行投資として意識しています。

大学時代に保育園で実習しましたが、自分にはあまり向いていないと感じました。障害者施設で実習をした際、先生や施設の方から「福祉の仕事が向いていると思うよ」と言われたのもあり、福祉施設で働くことを検討し始めました。当施設との出会いは大学3年生の頃。大学の先輩が施設の案内を持ってきてくれ、まずは学習支援のボランティアから始めました。アルバイトを経て就職し、保育士として実務経験を積みましたが、頭を使っていかに支援をしていくか考える仕事のほうが向いていそうだと感じ、自立支援担当職員になりました。保育士として現場で子どもと関わった経験は、もちろん今の自立支援の仕事にも活きています。

この仕事の醍醐味は、何と言っても長い時間をかけて、子どもの姿や成績を見て、たくさん話し合って、進路や自立に結びつく事です。そこで終わりではなく、自立してからも関わっていけるのは嬉しいです。退所後、子どもから「この施設で生活できてよかった」「この進路を選んでよかった」と話を聞いて、自分がした支援の答え合わせができた時も達成感があります。難しいのは、退所してすぐに仕事を辞めてしまったり、つまずいてしまったりする子もいる事です。そのような時でも簡単に子どもの考えが理解できないと諦めるのではなく、少しずつでも歩み寄って、その子を深く理解して支援する必要があると感じています。

自立支援担当の仕事を始めて、2年ほど経ちだんだんと仕事の流れや年間のスケジュールも掴めてきましたが、今は分岐点にいると感じます。自立支援担当職員として最終的に目指すべきはどこなのか、決めかねている部分があります。一方で他の施設の自立支援担当職員を見ていると、退所した子どものアフターケアや支援がとても充実していて感心します。自分にもっとできることはないかを考えて、より支援を充実させるために、もっと学んでいきたいです。

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※掲載されている情報は、2025年2月現在の情報となります。

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