2016/07/08
第8回-2週目 名古屋文化キンダーホルト[基幹的職員]白石 雄二さん
人を、自分を信じられる人になって欲しい。
だからこそ“繋がり”を大切にしています
創立時の31年前から名古屋文化キンダーホルトに勤務しています。当初は事務仕事での採用で、後に児童指導員となり、こちらの施設で子どもたちの指導に従事してきました。
児童養護の仕事に就き31年。世の中の変化とともに、子どもたちを取り巻く環境も大きく変化してきていると感じています。
以前、児童養護施設に入所する子どもの多くには、非行行動が目立ちました。周りの大人たちや社会に対する反抗心が強く、それを言葉や態度で表す=問題行動を起こす子どもが多かったように思います。それに対し、最近の子どもたちの多くは内向的で、自身が思い描く未来を実現する難しさに強いストレスを感じ、またそのストレスや怒りをぶつける対象すらない。ある程度以上の能力や環境が整っていないと希望を持つことすら出来ない、日々じわじわと自己否定されているように感じている子どもも少なくないように思います。何らかの事情があって児童養護施設で生活する子どもたちは、家庭で暮らす子どもと比べると弱点を持っている子が多いのも現状です。そのような状況の中、児童養護施設こそが“社会の防波堤”として子どもたちを守る役目を担っているのです。
子どもたち一人一人に対して、その子がどうしたらよりよく生きていくことが出来るかを一緒に考え、それを伝え続ける必要がある。周りの大人に不信感を抱いてしまっている子どもたちも伝え続けることで“繋がり”を感じるようになる。子どもたちも自分を守ってくれる、大切にしてくれる、尊重してくれる人と繋がりを持つことで、人を信じることが出来る、自分の未来を前向きに見つめられるようになるんです。
子どもは“こころ”を欲しています。いくらお世話をしてくれても、オートマチックにやっていると、どうしてもそれが伝わってしまう。こころのないものを渡すと「どうせ仕事だからやっているんでしょ」とつき返されてしまうんです。渡せるものは惜しみなく渡す、何かやる時も良い方が少しでも多ければやっておこうという気持ちで、子どもたちに向き合い続けています。
私たちの学園を含め、ここ5年ほど現場での人材不足を感じています。この仕事は精神的にも肉体的にも大変なところがあるのは確かです。しかし、子どもと共に過ごし、繋がりを持つことで得られるやりがいや充実感は計り知れません。若手職員は子どもたちと年齢が近いので、お兄さん・お姉さんとして若さとエネルギーを持って子どもたちに接し、中堅~年配の職員は、今までの経験を活かした指導力はもちろん、人を受け止める力がある。それぞれの年齢や経験に応じて役割があるんです。本当は、児童養護施設で働く職員は若手~中堅~ベテランと幅広くバランス良くいることが理想です。そのために、職員の働きやすい環境を整える事も、これからの児童福祉にとって大切なことだと思っています。
※掲載されている情報は、2016年6月現在の情報となります。
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