現状レポート

2024/09/15

取材第40回-3週目 乳児院 波うさぎ [家庭支援専門相談員]齋藤 桜 さん

家庭支援専門相談員は、子どもだけでなく保護者も支援する仕事。子どもの成長に立ち会える喜びを日々実感します。

乳児院 波うさぎ [家庭支援専門相談員]齋藤 桜 さん(さいとう さくら さん)

3年前、乳児院「波うさぎ」ができるタイミングで家庭支援専門相談員として働き始めました。それまでは3~4年ほど、同法人の児童養護施設「風の色」で児童指導員として働いていました。現在は相談業務をメインに、保護者へのアドバイスや児童相談所との連絡・調整などを担当しています。児童指導員としては幼稚園から中学生まで、幅広い年代の子どもと関わりましたが、現在は0~3歳の子どもと関わっています。

大学では心理学を学び、卒業後に1年間専門学校に通い、社会福祉士の資格を取得して児童指導員になりました。なかなかSOSを出せない子どもたちは、本人が「困っていない」と言っていても、手を差し伸べないと将来的に生きづらさを感じてしまったり、困ってしまったりするのではないかと思います。私が児童指導員として手を差し伸べて、できるだけ生きづらさをなくすような支援をしたいと思って当法人で働き出しました。

当施設が設立されるタイミングで、家庭支援専門相談員をやってみないかと相談を受けました。子どもと関わっていくと、貧困や虐待など子どもの保護者も支援を必要としている事に気づいたので、これからは家庭支援専門相談員として、子どもだけでなく保護者も支援したいと思うようになりました。

子どもが笑顔で保護者のもとに戻ったり、里親のもとへ行ったりするのを見ると、この仕事をしていて良かったと思います。子どもが保護者や里親と愛着形成がうまくできていて、甘えている姿を見ると嬉しくなりますね。

家庭支援専門相談員になった今も、業務に支障が出ない範囲で子どもと直接関わる時間を持つようにしています。保護者の方には、他の職員から聞いた話ではなく、自分で見て感じた子どもの成長を報告したいんです。今もお風呂に一緒に入ったり、寝かしつけしたりして、子どものちょっとした日々の成長に早く気づけるようにしています。

乳児院や児童養護施設に対して、もしかしたらネガティブなイメージを持っている人がいるかもしれませんが、当施設の子どもたちは本当に子どもらしく暮らしていて、それぞれに個性があり、人生があります。子どもたちは、自分を「恵まれていない」「かわいそう」とは一切思っていません。ネガティブな先入観を持たず、子ども一人ひとりを見守っていただけたら嬉しいです。

botan2
※掲載されている情報は、2024年7月現在の情報となります。

新着情報

BACK TOP