現状レポート

2025/03/08

取材第43回-2週目 児童養護施設 慈友学園[児童指導員]吉田 光志 さん

リーダーとしてだけではなく、今後は色々と学んで支援の幅を広げていきたい。

児童養護施設 慈友学園[児童指導員]吉田 光志 さん(よしだこうじ さん)

現在、高校生5人・中学生1人・小学生2人の男の子が暮らす部屋のリーダーとして働いています。集団生活となるとルールはあるものの、できる限り時間をかけて話を聞き、施設側と本人の間で折衷案をともに見つけ、なるべく子どもたちの希望が実現できるようにサポートしています。働き始めて6年目になるため、長い間関わっている子どもも多く、話しやすい存在となっているのではないでしょうか。

高校卒業後すぐに進学するのではなく、1年間ほど働いてから保育を学べる大学に入学しました。大学進学前に、やりたい事をやってみようと考えていたんです。子どもに関わる仕事をしたいと考えていたものの、具体的な進路は定まっていませんでした。児童養護施設で働こうと思い始めたのは、実習での事。幼稚園や小学校は決まった数年間しか子どもの成長を見守る事ができませんが、児童養護施設なら長い目で支援できると感じ、働こうと決めました。

やりがいを感じるのは、施設で暮らす事を嫌がっていた子が、退所してから「よっしーいる?」と尋ねてくれたときです。その時はとても嬉しいですね。社会人になっても頼ってほしいと思います。退所する子どもたちは心配ですが、いろいろな失敗をすることもあるかもしれませんが、頑張って生きていってほしいです。たくさん失敗することで、いろいろな経験ができる。そのために背中を押してあげられるような存在でいたいです。

現在はリーダーとなり、任される仕事が増えていますが、その分社会貢献できているのではないかと感じています。今後はリーダー以外の立場でもっと子どもたちと関わったり、後輩たちの育成を担当したりしたいです。この仕事を通してさまざまな経験をしたいので、チャンスがあれば専門職も経験したいですね。

以前、高校卒業を目前にしていた子が急にてんかんを発症した事がありました。本人は高校卒業と同時に就職・退所を望んでいましたが、双方で話し合った結果、措置延長で卒業後も施設から職業訓練校に通う事が決まりました。1~2年ほど通ってから、就職と同時に施設も退所したのですが、本人から「職業訓練校でスキルを身に着けた時間は無駄ではなかった」と聞きました。悩んだ末の決断でしたが、今思えばこれでよかったと感じています。今後も、子どもたちにとって最善な支援を考えていきたいです。

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※掲載されている情報は、2025年2月現在の情報となります。

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