現状レポート

2025/03/15

取材第43回-3週目 児童養護施設 慈友学園[保育士]村井 里帆 さん

産休と育休を経て復職。子どもにとって相談しやすい、心の距離が近い存在になりたいです。

児童養護施設 慈友学園[保育士]村井 里帆 さん(むらいりほ さん)

現在、4歳の子どもの子育てをしながらフルタイムで保育士をしています。一度産休・育休を挟みましたが、トータルで9年ほど、当施設で働いています。もともとは保育園で働く事を考えていましたが、乳児院での実習を経験し、子どもの生活に直接関わる仕事がしたいと思ったんです。大学時代に当施設の見学をし、ボランティアをスタート。子どもとたくさん触れ合えて楽しいと感じました。

慈友学園は職員同士の人間関係がとても良いと思います。先輩との間の壁も感じません。産休や育休を経ても、当施設に戻って働きたいと思っていました。最初は時短勤務でしたが、今はフルタイム勤務です。時短だと夜遅くまで子どもを見守ることができず、関わり方も中途半端になってしまうと感じていました。正直、今の働き方は私の親や夫の理解や協力がないとできません。義理の母や夫に、保育園の送り迎えなどを協力してもらっています。とても恵まれていると思います。

子どもたちからもらった手紙は大切にしています。ある子が小学生のときに、授業で大切な人へのメッセージを書いてくださいと言われて、書いてくれた「いつもありがとう」というメッセージをくれました。当時、仕事でとても悩んでいたこともあってとても嬉しくて泣いてしまいました。また、小学生の頃から成長を見守っている子から、中学校を卒業する際にもらった手紙も大切にしています。この仕事をしていて本当によかったと感じられる時です。

仕事は大変な時もあり、悩むこともあります。中には学校になかなか行けない子もいて…対話を重ねても、どうしたいのか答えがなかなか出てこないこともあります。本人も、どうすればよいのか分からないのだと思います。何かしてあげたいのですが、うまくいかないこともあり歯がゆいです。退所までなんとかサポートしてあげたいのですが、難しさを感じています。

慈友学園では女性の職員もたくさん働いていますが、結婚や出産後も、全員が私のように親や夫の協力を得て働けるとは限らないかもしれません。ですが、子どもたちにとっては長い目で関係性を築ける職員がいたほうがいいと思います。働き方を見直して、出産後も復職しやすい環境を整えていければいいですよね。

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※掲載されている情報は、2025年2月現在の情報となります。

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