現状レポート

2025/04/10

取材第44回-2週目 児童養護施設 名古屋文化キンダーホルト[保育士]米倉 浩太郎 さん

子どもひとりひとりと向き合い、支援するというよりも肩を並べて一緒に歩んでいきたい。

児童養護施設 名古屋文化キンダーホルト[保育士]米倉 浩太郎(よねくらこうたろう)さん

 

高校時代までは特に夢がなく、短大では法律や経済などを学んでいました。転機は、偶然見つけた保育園のアルバイト。保育を学んだ経験や資格は必要なく、他の仕事よりも時給が良かったので「子どもと遊んでお金がもらえるなら…」と考えました。実際に働いてみると、子どもとの関わり方やルール、他の保育士さんとのコミュニケーションなど難しい事ばかり。その上で仕事の楽しさややりがいも感じ、しっかりと資格を取るために、保育園で働きながら夜間の専門学校に通いました。授業や施設見学をとおして、児童養護施設に抱いていた暗いイメージが良い意味で裏切られ、保育園ではなく児童養護施設で働く事に。実際は家庭的な雰囲気で、子どもたちがのびのびと過ごせるよう環境が整えられていると感じました。

不登校などの課題を抱える子が、高校進学が決まった時はとても達成感がありました。私自身に不登校の経験はないものの、不登校は絶対にダメだと否定するのではなく、子ども一人ひとりにあった支援や進路を一緒に考えるきっかけにしたいと思っています。また、就職先が決まり、卒園した子がきちんと仕事を続けて収入を得て、家賃や税金の支払いができているという報告にもほっとします。自立してからは大変な事も多いと思いますが、明るい報告はやはり嬉しいです。

実は、昨年から施設のフットサルチームの監督を任されています。サッカーやフットサルの経験はなく、なぜ自分に任されたのか不思議でした。それでも、大会で小学生と中高生それぞれのチームで優勝する事ができました。技術面で教える事ができなくても、子どもたちががんばったからだと思うと、嬉しかったです。子どもたちの力を引き出せたのだと自信がつきました。今では、月に一回フットサル場でプロのコーチに教えてもらえる機会を頂けているので、自分も子どもたちと一緒に技術を学ぶ姿勢で取り組んでいます。

働き始めるまで、児童養護施設に対してあまり良くないイメージを持っていました。しかし、キンダーホルトの子どもたちは思った以上に私の話を聞いてくれていると思います。私よりも子どもの方が良いアイデアを持っている事も多く、一人ひとりが秘めている力の大きさを感じます。私自身、未熟な部分が多いので、子どもと成長できていると感じられて嬉しいです。支援するというよりも、一緒に歩んでいく感覚で接していきたいと思います。

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※掲載されている情報は、2025年3月現在の情報となります。

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