現状レポート

2019/11/01

取材第29回-1週目 自立援助ホーム いっぽ [ホーム長・児童指導員]青木 佑磨さん

自分で考え、自分で行動できるよう、自立に向けたサポートに力を入れています

自立援助ホーム いっぽ [ホーム長・児童指導員]青木 佑磨さん

 20191001ipoo_IMG_9373平成28 年からこちらのホームに勤務して3 年、今年の6 月よりホーム長をしています。福祉大学を卒業していますが、はじめから児童福祉を目指したわけではなく、大学卒業後、「就労支援」に関わる仕事をしていました。転機となったのは、保育園運営などを行うNPO 法人への転職です。こちらでは養護施設からの要請を受け、学習指導を行なっていました。1 回2 時間ほどの学習指導を担当していく中、気になったのは、そこで出会った子どもたちの口ぐせです。まだ生まれてから数年〜10 数年しか経っていない小中学生なのに「どうせ、自分なんて…」と既に何かを諦めてしまったかのように話します。まだまだ長い人生が待っているのに、もっと前向きな気持ちで「こんな人生でもよかった」と子どもたちが少しでも思って生きていけるように、サポートしていきたいと思うようになりました。せっかく子どもたちに関わる仕事をするのなら、きちんと長く勤められる職場を探したいと思っていた時、大学の先輩である、NPO 法人なごやかサポートみらいの理事長蛯沢さんからのお誘いがあり、自立援助ホームいっぽの立ち上げから関わることとなりました。はじめは宿直スタッフとしてのスタートでした。その後、正職員として子どもたちと関わるようになり、1 年を通じて一緒にいることで、子どもたちの変化を感じられる、また悩みごとや考えていることがよくわかるようになったことに、やりがいを感じています。

いっぽで暮らす子どもたちは、高校1 年〜専門学校生までの6 人の男子です。それぞれに学業とアルバイトを両立し、お金を貯めて社会に出ることを目標としています。まさに、これから社会に出ていくための準備期間です。だからこそ、「自分で考え、自分で行動できる」ようになってほしい、問題にぶつかった時、自分で解決できる力を身につけてほしいですね。そのため、子どもが「これ、どうしよう?」と質問してきた際にはすぐに答えを教えず「どうしたらいいと思う?」と質問で返し、自分で考える機会を与えるようにしています。また、自分の力で人生を切り開いていくことも大事ですが、時には人を頼ること・誰かに相談することも大切だと伝えています。社会に出た時、職場の人や地域の人など周りの大人を上手に頼ることができれば、いろんなことがスムーズに解決できるはずです。
そのため、いっぽでも地域の人との交流ができるように、子どもたちが自分の周りの輪を広げていけるように、地域のお祭りや自治体の公園の草刈りなど地域の奉仕活動にも積極的に参加するようにしています。私自身も、日頃から地域の人と積極的に話をすることを心がけております。私が地域の人と気軽に話しをしている姿を見て「そんな風に話しをするんだ」と子どもたちへの参考になれはいいなと思っています。

この仕事にやりがいを持って取り組んでいますが、究極の話をすると、児童養護の仕事がなくなるような社会を作っていきたいですね。施設の中で子どもたちに接するのはもちろん、自分が取り組んでいることを、福祉に興味のある大学生などに伝えていきたいと考えています。自立支援ホームは児童養護施設と比較すると短期間で関係性を築き、支援していく必要性があります。大変な部分も少なくありませんが、だからこそのやりがいももちろんあります。それを伝えていくことで、自立支援ホームで働きたいという人を増やしていくことも、私の役目の1 つだと感じています。

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※掲載されている情報は、2019年9月現在の情報となります。

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