現状レポート

2024/04/28

取材第36回-4週目 児童養護施設 中日青葉学園 あおば館[児童指導員]河田 祐哉さん

家族や家庭って何だろうと考える日々。子どもと関わりながら、その答えを見つけていきたいです。

児童養護施設 中日青葉学園 あおば館[児童指導員]河田 祐哉(かわた ゆうや)さん

児童指導員として、子どもたちの生活が成り立つよう補助する仕事をしています。部屋の掃除をしたり、分園で料理をしたりして、一般家庭のお父さんやお母さんのような役割も行います。

私自身、子ども時代には児童養護施設で生活していました。工業高校に進学したため、もともと大学進学は考えていませんでしたが、進路を考えたときに、将来は機械よりも人と関わりたいと思うようになりました。改めて、施設で働いている職員の姿を見ると、自分も児童指導員になりたいと思いました。私自身もそうだったように、子どもには頼ってもらったり、辛い時には何でも話してもらったりできるようになりたいです。私の経験や感じたことを、子どもにも伝えていこうと思っています。

別の児童養護施設で暮らしていたとき、中日青葉学園は文化活動やスポーツに力を入れているように見えました。働いている今も、文化活動やスポーツをとおして子どもの成長を感じています。私自身も指導を任せてもらっていて、今年は器楽部を担当しました。先輩の職員から「自由にやってみて」と言われ、大学時代に取り組んでいた軽音楽部での経験も活かし、まずは子どもにひとつずつ教えるところから始めました。影で個人練習に取り組む子どもを見たこともあります。ギターの弦をはじくところから始め、1曲すべて演奏できるようになったのを見た時はとても感動しました。

子ども時代を児童養護施設で過ごしたからか、家庭や家族って何だろうとか自立するって何だろうとかをよく考えます。今はまだ答えが見つかっていません。子どもの頃、年末年始を職員の自宅で過ごす家庭体験をしたのですが、トランプをしたりおいしいごはんを食べたり、テレビを観たりする時間がとても楽しかったです。その時間に温かさを感じるとともに、それがきっかけで家庭や家族って何だろうと考えるようになりました。今も、日々考えながら子どもと接しています。いつか、その答えを見つけたいです。

子どもたちには施設を巣立った後も困らないよう、生きる力を身につけてほしいです。自分に何ができるか、日々考えています。ときどき何を考えているのか分からず、意思疎通がうまくいかない事もありますが…子どもには、困った時には人を頼ることを覚えてもらいたいです。私自身がまず頼ってもらえるような存在になれるよう、頑張っています。

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※掲載されている情報は、2024年3月現在の情報となります。

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